駅から徒歩2分ですが、一歩園内に入ると緑が多い静かな環境に浸れます。
ここは大正時代に別荘とその庭園が造営され、さらに昭和の初めに三菱財閥を創業した岩崎弥太郎が買い取り、洋風邸宅や数寄屋造りの茶室を建てました。
特徴的なのは武蔵野段丘の地形を活かして造られた庭園。奥に進むにつれて急激に低くなっていくのです。
開放的な洋風庭園、ウメやハナモモが咲く花木園、竹林、池など、変化に富んだ各コーナーは土地の形状を緻密に計算して造られています。
本館側から見下ろすと庭園全体が見渡せて爽快です。紅葉の名所としても知られています。

旧国鉄の鉄道学園の跡地が整備されて公園に。JR中央線の南側、国分寺駅と西国分寺駅の間に位置しています。
一周約500mほどの芝生の円形広場が広がっている見晴らしのよい場所で、舗道にはイチョウやサクラが植えられています。池や噴水、滝などもあり、散策やウォーキングなど思い思いに過ごせます。
道を挟んで南側には、遊具がある市立の国分寺公園があり、都立武蔵国国分寺公園の一部と混同されがちですが、別の施設です。
さらにその南側にはお鷹の道・真姿の池湧水群や武蔵国分寺跡が位置しています。国分寺散策には欠かすことのできない一帯です。

国分寺崖線とは武蔵野台地が削られてできた崖地で、立川市から大田区まで広範囲に広がっています。国分寺ではJR中央線の南側に位置し、そこでは多くの湧水が見られます。そして湧水がたまってできたのが真姿の池です。
また、この一帯では江戸時代、尾張徳川家の鷹狩りが行われていました。そのために清流沿いの小道は「お鷹の道」と呼ばれ、現在は遊歩道になっています。
一帯は、かつての武蔵野の景観が残るエリア。夏のホタル、秋の紅葉の頃は訪れる人が多くなります。湧水群は東京都の名湧水57選の一つで、環境省選定の名水百選にも名を連ねています。懐かしい水辺の景観を目にすることができる趣ある場所です。

大正から昭和期に活躍した洋画家・児嶋善三郎氏のかつてのアトリエがあった場所に、孫の児嶋俊郎氏が創設した美術館です。
ユニークなのは作品と呼応する展示空間。建物は建築家藤森照信氏による「トタンの家」で、銀色に輝くトタンは不思議とキルティングのように柔らかく見えて、内部の作品を優しく包み込むようです。
児嶋善三郎氏の作品とともに、日本人作家の絵画や彫刻、ボロボロになるまで縫い合わされた藍染の衣類など、多彩な展示品が一堂に会しています。
隣接する児嶋俊郎氏の自邸も、藤森照信氏設計の「チョコレートハウス」で、2つの建物の対比も見ものです。