伊勢の国の大地主であった猿田彦大神は、太陽神と言われる天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)らが天から舞い降りたとき、高天原から芦原中国(あしはらのなかつくに:高天原と黄泉の国の間にあるとされる世界)までを照らし、邇邇芸命らの道案内をしていました。その風貌は七咫(あた:中国や日本で使われていた長さの単位)の鼻に七尺の背丈、八咫鏡(やたのかがみ)のように輝く目、ホオズキのように赤く姿をしており、後にこれが天狗の原型になったと言われています。
瓊瓊杵尊らの先導を終えると、猿田彦大神は故郷の伊勢に戻り国の開拓を進めましたが、この先導という行為が、道開きや導き、交通安全、方位除けの神として祀られるきっかけとなったそうです。
お気に入り