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聖地荻窪のラーメンを制覇せよ！
一説によると、日本でラーメンを初めて食べたのは水戸光圀だと言われています。しかし、ラーメンのルーツである中国の麺料理が日本で一般に知られるようになるには、明治維新後を待たなくてはなりません。開国後、日本は海外の食文化を盛んに吸収し、それを日本流にアレンジして大衆化させてきました。もちろんラーメンもその一つ。現在、単にラーメンといっても、醤油、塩、味噌、豚骨だけでなく煮干や二郎系などとバリエーションやジャンルがどんどん細分化されていて、これから先も多様性は増していくでしょう。
ラーメンの激戦区は今や日本各地に存在しますが、ラーメン店が集中し、ファンが行列をつくったのは荻窪が最初と言ってもよいかもしれません。そんなラーメン聖地の中から今回はごく一部ですが紹介したいと思います。
麺処 鳴神
スープの種類は、弱火でじっくりと煮込んだあっさりな「上湯（シャンタン）醤油」と、鶏ガラを丸1日煮込んだ濃厚な「白湯（パイタン）」の2種類のみ。マイルドでコクのあるスープは飽きの来ない味わいで全部飲んでも罪悪感がありません。チャーシューも鶏肉なので調和の取れた逸品です。サイドメニューは餃子とそぼろ丼の2種類。シンプルなだけにこだわりのつまったラインナップです。
手もみラーメン 十八番
澄んだ醤油ベースのスープは一見あっさりしているのですが、大量のニンニクで炒められた豚肉とネギがドンッと盛られていてインパクトは強烈。あっさりしたスープとこってりしたトッピングが相まって、麺ともよく絡みます。非常にユニークな一杯で、一度食べたらきっとあなたもトリコになるかも...。ニラとニンニクをふんだんに使用した野菜中心の餃子も人気です。
迂直
つけ麺専門店での一杯は、食べ進めていくうち味が変化する不思議なスープが印象的。熱いうちはキリッとした醤油の風味と地鶏の旨みが、温度が下がると鰹節や椎茸といった出汁の奥深さが出てきます。中細のストレート麺には鰹と昆布から取った出汁がかけられており、そのまま食べても麺の味を存分に引き出してくれます。定休日や限定メニューの煮干つけ麺が提供される日などはTwitterで更新されるので要チェックです。
五稜郭
本場の函館塩ラーメンが食べられるお店です。食材も北海道産にこだわり、真昆布や猿払ホタテの干し貝柱などの海産物主体で作られたスープは、驚くほど透き通っていて優しい味わいです。トッピングにお麩が入っており、染み込んだスープがジュワッと口に広がる感覚も楽しい。サイドメニューも「いかめし」など北海道産が勢ぞろい。ビールも「サッポロクラシック」です。また、地元ブランドがあるというほど北海道ではポピュラーな「ガラナ」も提供しています。ガラナは疲労回復や動脈硬化の予防に効果がある飲み物といわれています。興味のある方は、ラーメンとともに是非！
ねいろ屋
まるでカフェのような雰囲気の内装なので、女性でも一人で入るのに抵抗感はないでしょう。スープはいりこや地鶏など、店主の地元である瀬戸内の食材をふんだんに使った醤油ラーメンと、地鶏と岩手のブランド豚である白金豚のダブルスープによるコクが楽しめる塩ラーメンの2種類。その他、本格的なかき氷もこのお店の看板メニュー。全国の農園から取り寄せた旬の果物から作られた自家製ソースは贅沢な逸品です。
味噌っ子 ふっく
野方にある有名店「味噌麺処花道」にて5年間修業を積んだ店主が2018年に独立してオープンした注目店です。豚骨と鶏ガラ、香味野菜とさらにモミジも加えて炊いた出汁に、ラードやニンニク、ひき肉、タマネギと一緒に炒めた信州味噌と仙台味噌を合わせたスープは非常に旨みが濃く、芳醇かつバランスの取れた味わいに仕上がっています。極太のストレート麺ともよく絡み、まさに究極。
ラーメン二郎 荻窪店
日本各地にファン（ジロリアン）が存在するラーメン二郎。荻窪店（通称：荻二郎）のルールは、まず並ぶ前に店内で食券を買います。買ってないと後ろの人が優先されることがあるので要注意。二郎は店舗によって味わいが異なります。ここ荻窪店は、スープは乳化ぎみで味はしっかり、野菜は柔らかめのボイルで、上に乗る豚肉はバラロースと肩ロースの2種になります。麺はやや平打ち中太でしっかりとした噛み応え。卓上には柚子ポン酢と昆布ポン酢、ラー油が設置されています。
菊池
正統派の中華そばが食べられるお店で、元祖荻窪ラーメンとも言われる「丸信」出身の店主がお店を構えています。鶏ガラをベースに鯖節、昆布、宗田節を使用したさっぱりと淡い味わいのスープが特徴的で、黒（醤油）と白（塩）の2種類。多めのメンマや、プリッとしたワンタンも人気で、何回食べても飽きの来ないホッとする味が評判です。
ラーメン 二葉
背油煮干系、熟成醤油系、黄金の塩系、油そばとバラエティ豊なラインナップ。日本全国からこだわりぬいた食材を集め、麺もラーメン用、つけ麺用、煮干系用と3つに使い分けられています。子どもでも安心して食べられるラーメンを心がけており、化学調味料は一切不使用。刻みタマネギを大量にトッピングして食べるのがおススメです。
久保田
ホープ軒で修業を重ねた店主が切り盛りしています。メニューは中華そばとチャーシュー麺のみ。背油系の豚骨醤油味なので見た目はこってりめですが、飲んでみると結構軽めです。豚主体のスープで、旨味と塩味がほど良いバランスです。加水率高めの細めの麺もあいまって、するりと完食してしまいます。飲み屋が集中している荻窪銀座商店街の一角にあるので、〆の1杯にいかがでしょうか。
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