住まいのリライフ豪徳寺店

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地名の由来である豪徳寺を探ってみた

  • 2020.09.24
  • 2022.09.01


世田谷区の豪徳寺という地名は、ここにあるお寺から命名されました。この一帯は、もともと世田谷城主・吉良家の所領で、文明12(1480)年、吉良政忠が叔母の弘徳院のために結んだ庵が、後の豪徳寺へとつながります。世田谷の所領が彦根藩へと移っっていた寛永10(1633)年、彦根藩・井伊直孝が菩提寺としてこの地に伽藍を建立。その際に、直孝の戒名「久昌院殿豪徳天英居士」をもとに、寺を豪徳寺と名付けました。


招き猫発祥の地

豪徳寺は「招き猫発祥の地」といわれています。その由来はどんなことでしょう。それは次のようなエピソードによります。井伊直孝が江戸郊外に鷹狩り出ていたときの話。帰り道に弘徳院の前を通ると、そこで飼われていた1匹の猫に手招きをされました。招かれるまま門の中に入ると、途端に暗雲が立ち込め激しい雷鳴と豪雨に見舞われたのです。もし猫の手招きを見過ごしていたら、大変なことになっていたのかもしれません。
直孝は、「猫が豪雨を知らせてくれたのだ」と、猫と弘徳院を好ましく感じて多額の寄進をして、寺の再建に尽力しました。やがて猫が亡くなると寺の和尚は、猫を祀ったお堂と右手を挙げた猫の姿を形どった「招福猫児(豪徳寺での招き猫の表記)」を作るようになりました。

不運(豪雨)を避け、福(寺の再建)を呼び込むというエピソードが、招き猫誕生の由来とされています。
  • 山門
  • 五重塔
豪徳寺の入り口である山門と三重塔。この塔の一層目には干支が彫られていますが、ネズミの部分にはなんと猫の彫刻が! ネズミが猫に小判を差し出している様子が描かれていて、なんとも豪徳寺らしいユーモアです。
  • 招猫殿
招福猫児の像とこれを祀っている招猫殿。招猫殿の中にも、招き猫に囲まれた招福観音の像が見えます。
奉納されている招き猫たち。寺務所で販売されている招き猫に願を掛け、一度家に持ち帰ります。やがて願いが叶うと再び招猫殿に参り、招き猫を招猫殿に返納するのです。それにしても多いですね...。でもこれは、ほんの一部なのです。これを見たら、どれだけご利益があるかが想像つきますね。
  • 本堂
  • 仏殿
  • 井伊直弼の墓
日本開国の立役者であった井伊直弼とその一族のお墓もこの地に建てられています。

マメ知識!

招き猫は何を招いているの?

商売繁盛の縁起物として用いられることの多い招き猫ですが、右手を挙げていたり、左手を挙げていたり、細かい違いもあります。一体、どんな意味があるのでしょう?

一般に、右手は「金運」を招き、左手は「人」を招くと言われています。両手を挙げている猫は、欲張りで返って縁起が悪いとされる説もあるようです。通常右手を挙げた猫は左手に小判を持っているのですが、豪徳寺にある招き猫は小判を持っていません。これには質実剛健な井伊家の家風が影響しており、「招き猫はチャンスを与えてくれるが、結果(小判)は本人の努力によって掴み取れ!」という意味が込められているのだとか。

豪徳寺と対の歴史をもつ松陰神社

豪徳寺から徒歩10分程の距離にある「松陰神社」もこの街を語る上では欠かせないスポットです。

祀られているのは神社の名称にもなっている吉田松陰です。吉田松陰は幕末期に活躍した思想家・教育者で、この地に「松下村塾」を開き、多くの弟子から支持を集めていました。しかし、彼が唱え普及しようとしていた「尊王攘夷論(=天皇を尊び、外国からの侵略を防ごうという思想)」は、開国に向けて動いていた幕府にとっては邪魔なもの。この攘夷運動を粛清すべく、当時将軍の補佐であった井伊直弼は「安政の大獄」により吉田松陰を投獄。松陰は安政6(1859)年10月に死罪に処されました。

その後、吉田松陰は弟子たちによってこの地に祀られますが、一方の井伊直弼は安政7(1860)年3月の「桜田門外の変」で暗殺され、井伊直孝と同じ豪徳寺に埋葬されました。命を奪われた吉田松陰と命を奪った井伊直弼。この二人がごく近くに眠っていることには、何かの因縁をも感じさせます。
  • 鳥居
  • 本殿
  • 松下村塾
  • 吉田松陰の墓

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いかがでしたでしょうか?
招き猫、凄い数でしたね...。それだけご利益があるということ。街の歴史や由来を知ると面白いですね!
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