物件売却の流れをおさえよう!

  • 2018.11.06
  • 2024.02.27

売却の方法や手順を理解して、失敗しない売却を!

不動産の売却はどういう流れで進んでいくのか、売却収入がある一方で必要な支出はどのようなものがあるかなどをまとめました。また、売却金額は物件の条件以外にも、売却時期や売却方法、査定する不動産会社、世の中の景気など多様な条件で左右されます。
どうすれば後悔せずに売却できるのか、より高額で売却するためには何をすべきか、賢く売却するためのヒントもご紹介します。

売却の概要:流れや収支の内訳は?

売却の流れ

不動産の売却は上記の流れで進んでいきます。

初めての売却の場合、その期間は最初の相談から査定、媒介契約までの期間を1か月ほどと見ておきましょう。売却全体のスケジュールとしては、いつ購入希望者が現れるかによって異なりますが、目安としては募集活動の開始から契約の締結に1~3か月、締結から引渡しに1~2か月程度と言われます。早ければ2~3か月で完結することもあり、長くて半年近くかかってしまうケースもあります。

収支について 売却金額=利益 ではない

当然ながら、売却金額の全てが利益になる訳ではありません。売却金額から、税金や手数料などを引いた金額が売主様の利益となります。
  • 売却費用の内訳

売却の流れを細かく見ていきましょう

条件整理

不動産の売却を決めたら、まずは不動産会社に相談をしましょう。そして、なぜ売りたいのか、いつまでに売りたいのかなど、売却の理由や希望条件を担当者にくわしく説明します。こうした希望条件は、事前にある程度整理しておくと話がスムーズです。ご希望の条件によって、適した売却方法が変わってくる場合もあるので、条件整理はとても大切です。

また、売却価格に関しては、同じような条件の物件がいくらで売りに出されているか、あらかじめ調べておくと参考になります。調べる方法としては、SUUMOなどの物件流通サイトや過去の不動産売買に関する情報がまとめられている「不動産取引価格情報検索サイト」で調べられます。

査定

条件整理ができ売却方針が固まったら、物件価格を査定してもらいます。ここでの注意点は、複数社から見積もりを取ることです。「不動産流通推進センター」という公益社団法人が価格査定の目安となるマニュアルを作成していて、多くの不動産会社がこれをもとに査定を行います。査定にあたっては、売却物件と似た条件の物件と比較しながら価格を検討します。しかし、不動産会社によって比較物件が異なりますし、会社の方針や担当者の戦略によっても査定価格は変動します。また、時間がかかっても高めに設定して売りたいのか、短期で売るために安めに設定するのかという売主の方針によっても変わります。必ず査定金額で売却できるとは限りませんが、複数の不動産会社と相談して比較することがポイントです。査定方法には以下の3つがあります。

①原価法

査定する物件を取り壊すと仮定して、全く同じ建物を建て直した場合にいくら費用がかかるのかを算定し、築年数などに応じて原価を割り出して価格を求める方法です。戸建ての物件に向いている査定方法と言われます。

②取引事例比較表

近隣の類似物件が過去にいくらで取引されたのか、過去の事例を参考にして査定します。しかし、価格は物件の条件以外にも立地や時期、当時の社会状況などにも影響されるので、過去の事例そのままでなく状況に応じても変化します。マンションや土地に向いている査定方法です。

③収益還元法

その不動産物件が将来得られると想定した利益と現在の価格から価格を算出する方法。主に賃貸物件の売買に関して利用される査定法です。

媒介契約の締結

査定が終了し売却の意思が確定したら、不動産業者と媒介契約を締結します。媒介契約とは、不動産会社が売主と買主の間に立って募集活動や契約業務を行うことを約束する契約です。この媒介契約の形態は3種類あり、その中から1つを選択して契約します。

専属専任媒介契約

1社に窓口を限定し、複数の不動産会社に媒介を依頼することができない契約形態です。売主が買い手を自分で見つけた場合も、不動産会社を通さずに直接やり取りすることは認められません。

専任媒介契約

複数の不動産会社に媒介を依頼できない点は専属専任媒介契約と同様ですが、売主が買い手を自分で見つけた場合、不動産会社を通さずに直接やり取りすることができる契約形態です。

一般媒介契約

媒介契約を結ぶ不動産会社を1社に絞ることなく、複数の不動産会社と同時に締結することができる契約形態です。1つの不動産会社にしばられない契約形態です。

媒介の慣例と売主保護のためのルール

専属選任媒介契約・選任媒介契約では、国土交通省指定の不動産流通機構(レインズ)へ物件の情報を登録することが義務づけられています。一方、一般媒介契約ではレインズの登録は義務化されてはいません。ですが一般媒介契約でもレインズに登録する業者の方が多いと言う現状があります。なぜなら仲介会社はレインズを見て購入希望者に物件の紹介をするので、レインズに登録をしないと募集機会が狭くなってしまうからです。

また、媒介契約の契約期間は3か月までと決められています。それ以上の期間で依頼延長をする場合は、3か月毎に更新する必要があります。一見、面倒なルールと思われるかもしれませんが、売主が契約先の不動産会社に不満があったり、売主に不利な状況が発覚した場合に契約を見直しやすくするための措置でもあります。売主が安心して売却へ踏み切れるようにするためのルールと言うわけです。

売却活動

売却活動とは、依頼した不動産会社がチラシの作成を行ったり、インターネットの媒体に広告を掲載して営業活動を行うことです。

営業活動を行うと購入希望者が現れて物件の内見を希望してきます。そのような場合は、不動産会社が立ち合います。内見は空家の物件であれば不動産会社に鍵を預けておいたり、物件敷地内にキーボックスを設置するなどして対応します。一方、売主が居住中の場合は在住内見と言って、住んでいる状態のまま内見を行います。購入希望者は内見の際の印象で買うかどうかを判断するので、売却を決めたら掃除や片付けを定期的に行っておくとよいでしょう。ただし、リノベーションを前提に物件を探している購入希望者もいるので、あえてきれいにしすぎない方がよい場合もあります。その案配については、経験豊富な不動産会社に相談しましょう。

また、売主も内見に立会う事ができますが、過度なアピールをしないことが肝心です。内見者のペースを見ながら距離感を図り、営業トークは不動産会社の担当者に任せておき、適宜補足を入れる程度が最適です。

契約締結

購入希望者(買主)から購入の申し込みを受けたら、提示された希望条件(価格や入居時期など)を検討し、双方が納得する形に歩み寄ります。合意に至ったら買主は住宅ローンの事前審査を申請。無事に審査を通過すれば、その段階で契約手続きに入ります。
不動産会社が買主に対して物件や契約内容の詳細をまとめた「重要事項説明書」の説明を行うので、売る側も契約書と併せて内容を確認しておきましょう。その後に契約書面の署名、捺印をして契約手続きは完了です。不動産会社に支払う仲介手数料は、この時点で半額を支払うケースが一般的です。残りの半額については、物件の引渡し後に行います。

※不動産会社の仲介手数料は価格帯ごとに上限が決められています。売却金額が200万円以内なら売却金額 × 5%、200~400万円以内なら売却金額 × 4%、400万円超なら売却金額 × 3% となり、別途消費税がかかります。

引渡し

契約の締結が済んだら物件引渡しの準備を進めます。物件購入時に組んだ住宅ローンの返済が残っている場合は、全額の繰上返済が必要です。金融機関に問い合わせて対応しましょう。次は抵当権の抹消を行います。ローン返済が済めば担保にしておく必要はなくなるので司法書士に依頼しましょう。
なお、買主からの代金の受領と物件の引渡しは基本的に同じ日に設定されますので、引渡しまでに引越しや清掃などは必ず済ませておく必要があります。代金を受領し引渡しを済ませたら、仲介手数料の残額を不動産会社へ支払い、これで一通りの物件売却の手続きは完了です。
物件の査定、不動産会社とのさまざまな契約形態など、大まかな物件売却の流れをつかんでいただけたと思います。失敗しない売却のコツは、複数の不動産会社に相談して信頼できる業者を見つけることです。売却の条件整理に沿って計画的に戦略を立てて、少しでも多くの利益を得られる売却を実現したいものですね。

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