失敗しない持家の住み替え方法~お金編~

  • 2018.11.06
  • 2023.05.24

住み替えにはどんな費用がかかるのか?利用できる控除はある?

夢のマイホームを購入するときは、立地やライフスタイルなど様々な条件を吟味して物件を選ぶでしょう。しかし、生活や家族構成の変化は誰にでも起こりうるものであり、予期せぬことで住み替えをしなければならない時もやってくるかもしれません。そんな時、マイホームを「先に売るか」「先に買うか」はどっちがい良いのでしょうか?今回は住み替えにかかるお金のことについて、「費用」「ローン」「節税」の観点でまとめてみました!

本コラムは「失敗しない持家の住み替え方法」の後編となっています。

売却と購入でかかる費用

住み替えにかかる費用は、新居の購入費用だけだと思ってはいませんか?実は売却にも様々な費用が発生するのです。それぞれの費用を表にしてまとめました。

売却時

仲介手数料売却が無事完了した場合のみ発生する、仲介会社への報酬です。上限は取引金額によって異なります。
取引金額が400万円を超える場合:取引金額の3%+6万円+消費税
     200万円を超え、400万円以下の場合:取引金額の4%+2万円+消費税
     200万円以下の場合:取引金額の5%+消費税
印紙税契約書には収入印紙と呼ばれるものを貼らなければなりません。こちらも取引金額によって変わります。
例えば、取引金額が500万円を超え、1,000万円までであれば5,000円となります。
住宅ローンの繰上げ返済手数料住宅ローンが残っている状態では売却ができないため、繰上げで残額を返済する必要があります。この返済の際にも手数料がかかり、その金額は融資を受けている金融機関によって異なります。おおよそ数千円から2万円ほどです。
登録免許税住宅ローンを借りて不動産を購入した場合、「抵当権」というものを不動産に対して設定します。ローンが完済された場合、この抵当権を抹消する手続き(抵当権抹消登記)を司法書士に依頼します。この手続きにかかる税金が登録免許税です。
司法書士への報酬上記の登記は自分でする事はできず、司法書士に依頼をします。

購入時

仲介手数料(中古のみ)売主が個人である不動産を購入した場合に発生します。金額は、上記の売却時と同様です。
手付金売買契約時に売主に対して支払う預かり金です。相場は購入額の5~20%ほどで、引渡し時に代金の一部として充当します。
印紙税契約書には収入印紙と呼ばれるものを貼らなければなりません。こちらも取引金額によって変わります。
例えば、取引金額が500万円を超え、1,000万円までであれば5,000円となります。
住宅ローンの借り入れ費用新たに住宅ローンを借り入れるための手数料など。
修繕積み立て基金(新築のみ)10~15年毎に行われる、建物の大規模な修繕のための積立金です。相場は20~40万円ほど。
保険料加入する火災保険や地震保険の料金です。
登録免許税不動産を購入する際、所有権を登録する手続き(所有権保存登記)を行います。この登記に対して発生する税金が登録免許税です。
司法書士への報酬上記の登記は自分でする事はできず、司法書士に依頼をします。
固定資産税不動産を所有すると固定資産税という税金が発生します。毎年1月1日時点での所有者が課税対象となりますが、売買によって所有者が変更になった場合は引渡しの時期に応じて売主と買主で負担額を分配します。
不動産取得税その名の通り、不動産を取得する際に発生する税金です。

住み替えで考えなければいけない住宅ローンの問題

住宅ローンが残っている不動産は売れるのか?

基本的には可能です。住宅ローンを借りる時は購入する不動産に「抵当権」を設定して不動産を融資の担保としなければなりませんが、法的にはこの抵当権が設定されていても売却が可能とされています。しかし、買い手側からすると「自分のせいじゃないのに差し押さえられる可能性がある」物件を買おうとはなかなかならないですよね。なので、法的には可能でも実際に抵当権付きの不動産が取引されることはほとんどありません。抵当権は住宅ローンを完済することで抹消ができるので、住み替えにより売却をする場合は、住宅ローンを完済する手続きをとらなければなりません。多くの場合は売却ででた利益を繰り上げ返済に充てますが、利益が少ない場合は補填しきれない場合もあります。そんな場合でも、住み替えのために利用可能な制度があるのでご紹介していきます。

住み替えローン:売り先行の場合

売却による利益がでローン残額よりも少ない場合に、その残債と新居の購入費用をひとまとめにして融資してくれるものです。しかし、住み替えローンの審査はローン残債が残っている状態での追加の借り入れになるので、基準が厳しくなります。購入の申し込みの後に住宅ローンの事前審査を行い、契約締結後の本審査がスムーズに進むように準備をしましょう。また、この融資を借り入れるには売却と新居購入の決済日を合わせなければなりません。新居探しに時間がかけられなくなるため、計画をしっかり立てることが重要です。

つなぎ融資:買い先行の場合

住宅ローンが残っていて、先に購入したい場合に利用可能な融資です。新居の購入とマイホームの売却がずれる場合、新居の購入費用を一時的に融資してもらうことができます。しかし、売却で得た利益金額で融資額を一括で返済しなければなりません。

この融資は通常の住宅ローンよりも金利が高く、融資期間も半年~1年と短期間です。この期間内に一括返済ができない場合は遅延損害金が発生してしまうので、リスクもある程度高い融資になります。つなぎ融資の契約内容には、この遅延損害金のために期間内に物件が売れなければ不動産会社に相場の7~8割の価格で買い取ってもらうという特約がつけられる場合が多いです。この特約は適用されると大きな損失となってしまうので、つなぎ融資を利用する場合は事前調査をしっかり行いましょう。

住み替えで節税ができる!利用可能な控除や特例について

不動産を売却して得たお金は譲渡所得とされ、課税対象となります。購入時の金額よりも高く売れる場合と低く売れる場合のどちらもあり、それぞれに適用される特例があるのでしっかり理解して節税をしましょう。4つご紹介します。

①3,000万円控除:売却で得した場合

マイホームが購入金額よりも高い値段で売却できて利益が出た場合は譲渡所得となり、所得税や住民税が課税対象となります。この控除を利用すると、生じた利益が3,000万円までであればが非課税となります。例えば、4,000万円で購入したマンションが5,000万円で売れたとすると、1,000万円が譲渡利益となります。この金額が3,000万円までであれば非課税となります。

②譲渡損失の損益通算:売却で損してしまった場合

これは、売却によって損失が出てしまった時に受けられる控除です。損失とは、例えば、3,000万円で購入したマンションが2,000万円でしか売れなかったとしたら、差額の1,000万円が損失ということになります。幾つかの条件を満たすと、損失分をその所得から相殺する(納税額を減額する)ことができるのです。損害が大きくて1年で控除ができなかった場合は、売却した翌年以降も3年まで控除を繰り越すことができます。

③買い替え特例:売却利益が3,000万円を超えた場合(①とどちらかを選択)

譲渡利益が3,000万円を超えた場合に効果的な特例です。マイホームの住み替えにおいて一定条件を満たしていれば、譲渡利益に対する所得税を繰り延べ(次の住み替えの時にまとめて課税される)することができます。ただし、この特例は「控除」ではありません。混同しないように注意しましょう。

④10年超所有軽減税率の特例:①と併用可能な唯一の方法

売却する物件の所有期間が10年を超えている場合、譲渡所得の税率を引き下げることができます。①の3,000万円控除は原則他の控除と併用ができないのですが、この特例においては可能となっています。特例を適用させた場合、6,000万円までの範囲は所得税が10%、住民税が4%になり、6,000万円を超えた場合は所得税が15%、住民税が5%となります。

各特例の適用ルートをまとめてみました!

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リライフお客様窓口店

いかがでしたでしょうか?
2回に分けて、持家から住み替えをする場合の方法を解説しました。1つの方法が正解ということはなく、それぞれに合うメリットを選択して手順を決めていく必要があります。後悔のない選択ができるよう計画を練っていきましょう。賃貸や購入、売却、不動産経営など不動産に関するご相談は是非リライフにお任せ下さい!

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