居住中の人気物件でも Get可能な先行手続きとは?

  • 2020.10.07
  • 2024.02.27

競争率が高い人気物件も 一足先に申し込める方法

お部屋探しをするとき、不動産検索サイトで賃貸物件を調べたり、不動産店に問い合わせをしたりすることでしょう。ところが気になる物件を見つけて不動産会社に連絡をしたところ、「現在居住中なので内見はまだできません」と言われたとしたら、そこであきらめますか?
前の入居者が退去するまで内見を先延ばしにしていても他の人に先を越されてしまうおそれがあったり、そのお部屋が空くのを待っていて、他のよい物件を逃してしまう心配もあります。せっかく素敵な物件を見つけたのに、とても残念なことですよね。
でもご安心ください。実は、退去前の物件でも入居の申し込みは可能なのです! これが「先行手続き」と言われる方法です。

退去前でも物件情報が公開されるのはナゼ?

すぐに内見ができないのに、なぜ物件情報が公開されるのか。まずはそこから説明しましょう。
「SUUMO」や「HOME'S」のようなお客様向けの賃貸検索サイトの情報は、各不動産会社が日々更新をしています。そして、この情報は不動産業者のみが閲覧できるデータベースをもとにしています。そのデータベースが公開されるタイミングは、①現入居者からの退去通告が出たタイミング、②退去が済んで内見が可能になったタイミングの二通りです。ですから①のケースでは、内見不可と言うことも起こるのです。

ちなみにお客様向けの賃貸検索サイトは、業者向けサイトのなかから一般公開できる物件のみが掲載されます。その割合は市場全体の約60%ほどで、それほど多くありません。残りの約40%の物件は、不動産会社の店頭で直接紹介してもらうしかないのです。

退去前物件の申し込み方法

前の居住者が退去する前の物件を内見せずに申し込む先行手続きには、先行申込先行契約の2種類の方法があり、どちらの方法を採用するかは貸主や管理会社によって異なります。

先行申込

現居住者の退去前の段階で入居審査までを済ませておきますが、退去後に内見をした段階でそのまま契約を進めるか、申し込みを取り下げるのかを判断できる方法です。内見をして「やっぱり違う」となっても、キャンセル料などもかからないので特にデメリットはありません。しかし、単なる内見の予約とは意味的に異なるので、申し込みはより慎重に行いましょう。なお、先行申込ができるのは、1つの物件に限られます。

先行契約

先行契約は場合にもよりますが、内見ができる頃には契約手続きや初期費用の支払いを終えてしまわなければならないケースもあります。もし契約締結後に申込者側からキャンセルした場合は解約扱いになり、違約金が発生する可能性もあります。違約金の金額は、1か月分の総賃料が一般的な相場です。

先行手続きのメリット

ここでは先行手続きで期待できる利点を解説しましょう。

①人気物件を一足先に申し込むことができる

先行手続きという有利な方法を知ったからと言って、「見ないで申し込むのはやっぱり勇気がいる」と考えるのが一般的。そのため内見できる物件から選ぶ人がやはり多数です。そうした方々は、気になる物件があっても内見できるようになるまで待っています。ですが、その人たちより一足先に物件を確保することができるのが先行手続きです。設備が整っていて価格が相場より安い物件やデザインがよいなど希少性が高い物件は、居住中のまま次の入居者が決まっていくサイクルが生じつつあるのも実情です。

②家賃発生をずらし引越し準備に余裕ができる

お部屋探しをされる方のなかには、1~2か月以上も先の引っ越し予定でご来店される方も珍しくはありません。内見して入居を申し込んだ場合、賃料発生のタイミングは一般的に申し込んだ日から2週間ほど。交渉によって延長できたとしても3週間弱です。一方、先行手続きで物件を確保しておけば、気に入った物件を確保しつつ賃料発生を後ろにずらすことが可能です。また、引っ越しのための作業や各種手続きは結構な負担ですが、先行手続きによって新居探しだけでも済ませておけば、気持ちの負担も軽くなることでしょう。

③二重家賃を防ぐ または減らすことができる

前述の利点とある意味で重複することですが、先行手続きで次のお部屋を確保することで、現在お住まいのお部屋の家賃と新居の家賃の両方を支払う二重家賃の支払い期間を短くしたり、なくすことも期待できます。
通常、現在の住まいから引っ越しすることを管理会社やオーナーに知らせる退去通告は、退去希望日の1か月前までに行うことが通例です(2か月前の場合もあり)。たまに退去通告をしてから次のお部屋探しを始める方がいらっしゃいますが、不動産会社の立場からするとこれは危険行為です。もし退去通告をしてから1か月以内に新居が決まらなければ、住む場所がなくなってしまいます。かと言って、一度行った退去通告を撤回することは、貸主の承諾を得られない場合もあります。
退去通告をするのにもっとも最適なタイミングは、新居の入居審査が終わったタイミングです。入居審査は承認いただく場合がほとんどですが、中には承認されないことも。ですから承認されたことを待ってから退去通告をするのがベストなのです。
内見できる物件は通常申し込みから2週間ほどで家賃が発生しますが、先行手続きの物件だと、現在の居住者の退去の時期やクリーニングなどで1か月近く期間が空くこともあります。その間はもちろん家賃は発生しません。そして、新居の入居日に合わせて退去通告ができるので、二重家賃を軽減したり、場合によってはゼロにすることも可能というわけです。

④家賃値上げを防げる可能性も

どんな業界でも共通して言えることですが、需要が高い商品は多少相場より高くても手に入れたいと思う人は一定数存在します。賃貸業界も同様で、人気物件の貸主は入居者が変わるタイミングで、強気に出て家賃を上げる場合もあります。一方、貸主にとってもっとも避けたいのは空室が出てしまうことでもあります。家賃収入が絶たれる空室状態の期間は、貸主には打撃がとても大きいのです。それを回避するため、退去から次の入居までブランクがないように居住中の物件は価格の改定がされにくいという特徴があります。先行手続きによって、貸主が家賃値上げを考える前に入居を決めてしまうと言うことです。

先行手続きによるリスクとは

①内見後のキャンセルによるリスク

先行手続きによる最大のリスクは、現物を見られない状態で申し込むことでしょう。これは借主のリスクだけではなく、実は貸主にとってのリスクでもあるのです。賃貸物件の入居申込は原則先着順で、一度申し込みがあれば、さらに申し込みを受け付けることはしません。先行手続きによる申し込みも同様です。
先行手続きのうち先行申込の場合、内見をした後の判断も許容されていますが、他の申し込みを断っているのですから先行申込を取り下げられたら、貸主にとっては大きな機会損失となります。ですから、先行申込は単なる内見の予約とは次元が異なることをよく理解しておきましょう。
また、一度申し込んだ先行手続きをキャンセルすることは、借主が別の物件に申し込んだ際の審査に影響を与えることもあるので、なおさら慎重に行いましょう。すでに解説していますが、同時に複数の物件を先行で押さえておくということはできません。仲介会社にとっては管理会社との信頼関係に影響が出るので、受け付けてもらえない場合がほとんどです。

②金銭的なリスク

先行申込ではキャンセル料は発生しないと前述していますが、先行契約の場合は内見ができる頃には契約書の締結と初期費用の支払いが終わっている場合もあります。契約締結以降のキャンセルは解約とみなされ、違約金が発生することも起こりえるので要注意です。
また、引越し準備や退去通告などは先行手続きでも並行して進めているので、そこでキャンセルすると引越し全体のスケジュールが乱れてしまうということもあります。

先行手続きのリスクを減らす方法

上記のようにリスクも伴う先行手続きですが、そうしたリスクを軽減できる方法もあります。

①同じ物件で内見が可能な部屋を見てみる

例えば、まだ居住中のお部屋で内見ができない場合、同じ建物のほかのお部屋を参考のために内見するという方法があります。既に募集が終わっているお部屋でも、退去まもなくのお部屋やクリーニングや改装途中のお部屋なら、内見をさせてもらうことは可能です。同じ間取りの部屋であったり日当たりが似たようなお部屋を見せてもらうことで、希望物件がかなり具体的にイメージできるようになるでしょう。内装や設備のレベルも確認できるので、この方法はかなりおすすめです。とはいえ分譲マンションの場合は、部屋によってオーナーが異なるので内装がまったく違う場合があります。それでも日当たりや周囲の環境を確かめることは可能です。

②間取りが似ている別の物件を内見する

同じ物件で別の部屋が見られない、写真だけではどうしても不安という場合は、似ている間取りの異なる物件を内見させてもらいましょう。同じオーナーがいくつもマンションを所有している場合もあり、そうした物件では似たような造りになることも少なくありません。先行で申し込む最大の懸念材料は実際のお部屋を内見できず、広さや動線の感覚がつかめないことで不安を生じさせるのでしょう。
ですが他の物件だとしても似たような室内に実際に行ってみれば、部屋のスケール感や家具の配置イメージをつかむことは、そう難しいことではありません。別物件でつかんだ感覚と内装写真を組み合わせることでイメージができれば、不安はかなり解消されるはずです。

③写真やGoogleマップ、現地で部屋の位置や周辺環境を確認する

不動産業者専用のデータベースには、管理会社が準備した部屋の内装写真も掲載されていることがほとんどです。加えて、仲介会社は日々物件の撮影を行っているので過去の空室時に該当物件の写真を保管している場合があります。そうした過去の写真は積極的に探してもらい、それを見せてもらうことも有効です(ただし入居者が替わるタイミングで大幅にリフォームされていると、内装が変わっていることもあるので確実ではありません)。
またGoogleマップの3D機能では日差しの入る方角や周辺建物との距離感、部屋の位置がおおよそ確認できるので、これも非常に有効です。実際に外観を見に行って周辺環境を確認することも価値があります。

まとめ

不動産業者が使っているデータベースには、退去通告が出されたタイミングで募集が開始され、先行申込、先行契約という形での申し込み手続きが可能になります。
賃貸物件の情報は、現在はインターネットで流通し、確認しやすくなったので、「この物件はこのエリアの中では希少性が高い」などということも判断しやすくなりました。
そうした情報をもとに写真や外観で判断し、先行申込や先行契約をすることによって、内見ができず待機中の人よりも先に物件を確保することが可能になります。また、余裕をもって引っ越し準備ができるメリットもあります。その一方で、内見をしないまま進めることのリスクも持ち合わせています。
先行手続きは、恐らく「不安ゼロ」で進めることはできないでしょう。しかし、希少性の高い人気物件を好条件で射止めることができる有効な手段でもあります。先行手続きをする際は、より多くの判断材料を集めて、より実態に近い感触を得ることがポイントです。

また、不動産店の営業マンは日々たくさんの物件を見ているので、図面や写真から多くのイメージを伝えることや、不安解消のためのアドバイスをすることも可能です。
リライフもお手伝いいたします。不安要素は少しでも解消して、理想のお部屋を見つけましょう!
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