住宅ローンの種類や返済について

  • 2020.10.21
  • 2024.02.27

住宅ローンの種類と多様な金利タイプを解説

住宅と言う大きな買い物をする時に、その資金が借りられる住宅ローン。便利な制度であると同時に、返済期間は30年近くになるなど、負担は小さくはありません。そのため利用には綿密な計画を立てることが重要です。融資元や利子、返済方法は、さまざまな選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、できるだけ負担の少ない返済計画を目指しましょう。

住宅ローンには「民間機関」「公的機関」などの融資元がある

「民間機関」と「公的機関」のちがいとは

住宅ローンの融資元には、大きく分けて「民間機関(民間融資)と「公的機関(公的融資)」の2つがあります。民間融資は、民間の銀行や保険会社などが提供する住宅融資です。一方、公的融資は国や自治体などが提供する住宅融資となります。
一般に、民間融資は審査が厳しいかわりに、金利タイプが選べるという傾向があります。公的融資は、比較的審査はゆるめですが、住宅の品質によって融資限度額が変わったり、金利タイプも限られているという特徴があります。
では、それぞれの特徴について、くわしく解説していきましょう。

①民間融資:金融機関から融資を受ける

銀行や保険会社、融資専門会社などの民間の金融機関では多彩な金融商品(住宅ローン)を用意しています。その内容は、金利(借り入れた金額に上乗せされる利子)の割合や手数料、保証料の有無など実にさまざまです。金融機関がそれぞれの強みを活かして多様な住宅ローンを設けているのが特徴で、キャンペーンなど期間限定のプランもあります。種類の豊富さが魅力である一方、どれを選んだらよいのかわかりづらいと言う指摘もあります。

また、民間の住宅ローンには、不動産会社やハウスメーカーと提携した「提携ローン」もあり、なかには通常では取り扱わないプランが利用できるケースもあります。
さらには企業が福利厚生の一環として社員に提供する、社内融資の住宅ローンも民間融資の一つに数えられます。

「フラット35」は、独立行政法人と金融企業の提携ローン

年々利用者が増えている「フラット35」は提携ローンの1つです。国直轄の「住宅金融支援機構」という独立行政法人が主体となり、全国の民間金融機関と提携して金融商品を販売しています。その代表が「フラット35」で、名前の通り35年という長期での借り入れが可能で、すべての借り入れ期間で金利が変動しない長期固定金利型の住宅ローンです。この金利型は金融情勢の影響を受けないので、安定した返済計画を立てることができます。また、金利や借り入れの手数料は選んだ提携先金融機関によって変わりますが、保証人や保証会社が不要であったり、繰り上げ返済の手数料がかからないといったメリットもあるので人気です。

②公的融資:行政法人、または自治体から融資を受ける

②-1 財形融資

財形融資は、勤め先の企業で財形貯蓄を行っている人が利用できる融資です。財形貯蓄とは、福利厚生の1つとして企業が毎月の給与から一定額を天引きし、金融機関に貯金をしてくれる制度。財形融資は、公的機関(独立行政法人)である住宅金融支援機構の金融商品の一つです。
民間ローンより金利が低いことが多く、返済の開始から終了までの全期間に渡って、5年ごとに適用金利を見直す5年間固定金利制を採用しているのも特徴です。
また、融資に対する手数料や保証料がかからないという利点がありますが、申込者や物件に対する条件も多く、手続きに時間がかかることもあります。財形貯蓄に対しても条件があり、①財形貯蓄を1年以上行っている、②財形貯蓄の残高が50万円以上ある、③申し込み日前の2年以内に財形貯蓄の預け入れをしている。これら3つの条件を満たしていなければなりません。

②-2 自治体融資

都道府県や市区町村など行政が行っている融資で、内容はさまざまです。住宅購入先の自治体での融資となりますが、全ての自治体で行っている訳ではないので事前に調べておきましょう。融資の方法としては、金融機関への斡旋や補助をしてくれるプランと、自治体が直接融資元となるプランの2種類があります。公的機関ならではの有利さが期待できます。
また融資制度とは別に、耐震性能やエコ住宅など優良住宅建設や設備の導入などを条件に、費用を補助する「助成金制度」などもあります。
なぜ、行政がこうした制度を導入しているかと言えば、自治体はこの融資制度によって人口増というメリットが得られるからです。また、エリア内に延焼を防ぐことができる不燃化の住宅を増やし安全な街づくりを推進できる利点、地元企業への発注を条件としていれば地場産業の育成、地域の活性化など多様なメリットがあります。

自治体の優遇融資制度の例

静岡県磐田市では、「勤労者住宅建設資金融資制度」という優遇融資制度があります。限度額1,000万円までで、融資期間は40年が限度で、金利は5年返済で0.75%、10年返済で0.80%などとなっています。一定条件を満たす必要がありますが、労働金庫と提携した資金の融資も可能です。
また、東京都では東京都の木材(多摩材)を用いて住宅を建てた場合に、住宅ローンの金利が標準金利より優遇される「とうきょうの森のいえ」という制度を設けています。一方、木造住宅(戸建て)の密集地域内で、既存住宅を耐火・準耐火建築物に建て替える際に、都が金利の1%を負担してくれ、低金利で融資を受けることができる金融機関を紹介してくれる制度などもあります。

返済計画① 金利タイプを選ぶ

住宅ローン(融資)を組むと、返済額には元金に加えて金利分(利子、利息)が上乗せされます。その金利には3つのタイプがあり、それぞれの特性を理解して、ご自身の将来設計に合う金利プランを設定することが大切です。
完全固定金利型
全ての借り入れ期間中の金利が固定される金利プランです。金融情勢が変動しても影響を受けずに、安定した返済計画を立てることができます。他の金利タイプに比べて総支払額はやや高めにはなりますが、市場金利がある程度低いときに借り入れを開始すると負担が減らせる場合もあります。デメリットとしては、市場金利が下がっても契約当初の金利が優先されるので、その恩恵を受けられなくないことです。
固定金利期間選択型
3年や5年などの一定期間は固定金利を採用し、その期間が過ぎたら再度金利を設定し直す金利プランです。再び固定金利にするか、変動金利に変更するかを選べますが、固定金利の期間終了時の市場金利によっては、次の期間での金利負担が上昇するリスクも想定されます。また、返済期間が確定できないので返済計画が立てにくいといったデメリットもあります。
変動金利型
返済期間中、定期的に金利が見直される金利プランです。金利が見直されるのは半年に1度で、返済額が見直されるのは5年ごととなります。金利の変化は常に流動的なので、市場金利に沿って支払うことで損を避けたいという方に向いたプランです。ただし返済計画がもっとも流動的になるタイプであることは留意しておきましょう。

返済計画② 返済方法を選ぶ

返済方法には、毎月の返済額が返済期間中ずっと固定される方法と、徐々に返済額が少なくなる方法の2種類があります。それぞれ、元利均等返済と元金均等返済と言われます。
元利均等返済
元金(借り入れ金額)と利子の合計額を均等割りして、毎月の返済額を固定させる返済方法です。返済が進むにつれて元金と利子の割合が変化していくのが特徴です。借り入れ当初は利子の割合が多く、元金が減るペースが遅いので総返済額は元金均等返済よりも多くなりますが、返済額が固定されるので、安定した返済計画を立てたい方にオススメです。
元金均等返済
総返済額のうち、元金のみを固定して返済する方法です。利子は初回の返済時がもっとも多く、返済が進むにつれて少なくなっていくのが特徴です。元金の減るペースが早いので、元利金等返済よりも総返済額は少なくなります。
今回は多くの住宅購入者が利用する住宅ローンの種類や返済方法について、説明してきました。住宅ローンの仕組みを理解すると、住宅購入のイメージがよりリアルに感じられるのではないでしょうか。大切なのはご自身に合った住宅ローンを見極めること。リライフもお手伝いいたします。

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