かしこい住宅ローンの利用法 4つのポイント

  • 2020.10.21
  • 2024.02.27

住宅ローン負担軽減の方法

住宅ローンは非常に多額な借金を背負うことになり、返済にはかなりの期間を要します。また、返済額は元本に加えて残高にも利子がかかってくるので、借入期間が長いほど上乗せされる利息も膨大になります。
しかし、そんな住宅ローンにも、負担を軽くできる上手な利用の仕方があるのはご存じでしょうか?
その方法には、優遇を受ける形、返済を見直す形、税金を節約する形などさまざま。住宅ローン契約をする際に、ぜひ思い出してほしい方法です。

①優遇金利を利用しよう

優遇金利とは、金融機関の通常の店頭金利(標準金利)より、一定の割引を受けることができる優遇措置のこと。金融機関がその時々のキャンペーンや取引状況によって適用するものです。各金融機関が提示する条件をクリアすれば、優遇金利を受けることが可能になります。
店頭金利(標準金利)と優遇金利の違いは、店頭金利が「定価」なら、優遇金利は「特価」と言えます。店頭金利が2.5%の住宅ローンで、0.8%の優遇措置が受けられたのなら、差額の1.7%が実際の金利となる訳です。この優遇金利は、全ての期間で対象となる「全期間優遇金利」がほとんどですが、場合によっては一定期間しか優遇措置の対象にならない「当初優遇金利」もあるので、住宅ローンを組む際にはよく確認しましょう。  

優遇金利を受けるための条件

  • 借り入れする機関で給与の振込口座を開設する
  • ローン機能つきのカードを作る
  • ネットバンキングの利用契約をする など
この他にも、勤務先の規模や収入によっても優遇が受けられるケースがあります。優遇金利は多くの金融機関で1%を超える利率で引き下げられることがほとんどです。
ところが優遇金利のみに囚われて、金融機関を決めてしまうのは危険です。候補の中からもっとも優遇金利が大きい金融機関を選んだとしても、諸費用がさほど変わらなかったり、むしろ高かったりしたら優遇金利利用のメリットは失われます。住宅ローンは全体的なコストを比較して決めることが肝心です。

②ローンを見直し借り換えで金利を下げる

「住宅ローンは完済するまで同じ金融機関に返し続けなければならない」と考えていませんか? そんなことはありません。また、とりわけ固定金利型や長期固定期間選択型の固定金利期間は、金利変更はできないと思われている方も多いでしょう。しかし「ローンの見直し」という言葉があるように、借入先を借り換えることは可能です。
新たな金融機関で住宅ローンを契約し直し、現在の住宅ローンを一括返済することで借り換えができるのです。固定金利型の住宅ローンは返済額が一定しているので、返済の見通しが容易ですが、変動型より利息が高いというリスクがあります。借り換えの目的の多くは金利の引き下げです。そのため住宅ローンを組んだ際に金利の高い固定金利型を選んだ方も、借り換えを検討してみるのもよいでしょう。

しかし、ローンの借り換えには手間と費用がかかります。初めてローンを契約したときとほぼ同じ手続きと諸費用が発生するので、この手間をかけてもメリットがあるプランなのかを、よくよく吟味する必要があります。
ある調査では、借り換えることで下がる金利が0.3%以上あればメリットはあるとしています。しかし0.3%ほどの金利差では、メリットは数万円程度です。残りの返済期間にもよりますが、手間をかけてでも行いたい借り換えとは、最低でも金利差は0.5%以上、できれば1%近く下げられるものを選ぶべきでしょう。

借り換えによるメリットが大きいケースとは

  • 固定金利、長期での固定期間選択型の住宅ローンを組んでいる
  • 現在の金利が1%以上の金利になっている
  • 返済期間が10年以上残っている(長ければ長いほどメリットは大きい)
  • ローンが1,000万円以上残っている(多ければ多いほどメリットは大きい)
などが挙げられます。

③繰り上げ返済で利息を減らそう

年収が上がったりボーナスが多かったり、想定以上に収入が増えるタイミングがあるかもしれませんね。そんなときは、住宅ローンの毎月の返済とは別に、まとまった金額を前倒しして返済してしまいましょう。前倒しで返済することで返済期間が短縮でき、トータルで支払う利息を減額できるからです。これを繰り上げ返済といい、残額の一部でも全額でも可能です。

繰上げ返済の仕方には2種類あります。返済期間を短くする「返済期間短縮型」と返済額を減らす「返済額軽減型」です。
では、どちらがより減額できるのでしょう。「3,000万円を金利1.4%で35年ローンで借り入れし、100万円を繰り上げ返済した場合」を想定したシュミレーションでは、返済期間短縮型では約59万円、返済額軽減型では約25万円の利子の減額ができると算出されました。金額や金利などの条件によって上下しますが、返済期間短縮型の方が、より節約できる額は多くなりやすいようです。ただし、毎月の返済額を抑えたい場合は、返済額軽減型が有利です。

返済期間短縮型

一定期間分の元金と利子を前倒しして支払う方法です。毎月の返済額は変わりませんが、返済期間を短縮させることで、利子の軽減効果が高い方法です。

返済額軽減型

残りの返済期間の元金と利子の一部を前倒しして支払う方法です。返済期間は変わりませんが、月々の負担額を減らすことができます。ほかに資金が必要になったなど、毎月の返済を減らしたいときに有効な方法です。
ただし変動金利型のローンでは、金利利率などによって必ずしも返済額が減らせるとは限りません。また、利息の軽減効果は返済期間短縮型に比べると小さめです。

④住宅ローン控除で節税しよう

住宅ローン控除とは、「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる国の制度です。住宅を購入した翌年から10年間、年末時点での住宅ローン残高の1%(最大40万円)を、その年に納税した所得税や住民税から控除できると言うもの。限度額は400万円です。控除の対象となる条件は以下の通りです。
  • 合計所得が3,000万円以内であること
  • 個人での新築物件の購入・建設、または中古物件の購入・増改築であること
  • 返済期間が10年以上の住宅ローンを利用中であること
  • 取得する住宅の床面積が50㎡以上であり、その1/2以上が自己の居住が目的であること

控除額は増減する可能性がある

取得する物件によっては、控除対象の金額が増減することがあります。例えば、認定長期優良住宅に認定された物件であれば、年間の控除の対象金額は最大50万円(総額500万円が限度額)に増額されます。ただし、中古物件の場合は控除の対象金額は最大20万円(総額200万円が限度額)までと減額されています。

控除を受けるには確定申告が必要

住宅ローン控除を受けるためには、住宅を購入した翌年に確定申告をする必要があります。企業に勤めている方は、普段の年は確定申告をしないので忘れないようにしましょう。2年目からは企業の年末調整によって住宅ローン控除を受けることができますが、その際は税務署から送られてくる「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、ローンを組んだ金融機関から送られてくる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が必要です。そろって提出する必要があるので、どちらも紛失しないよう注意しましょう。
いかがでしたか?
住宅ローンは不動産を現金一括で購入しない限り、多くの方が利用するもの。ご自身の収入などから返済計画を慎重に立てることが大切ですが、見直しできるタイミングも意外と多いものなのです。節約方法もさまざまなので、少しでも多くコストダウンできるようにしていきましょう。

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