賃貸 VS 持ち家 どちらがお得?

  • 2020.10.19
  • 2024.02.27

それぞれのメリット、デメリットを検証してみました

将来設計を考えるうえで、賃貸を借り続けるか持ち家を購入するか、どちらも一長一短あるので考えても堂々巡りになってしまうかもしれませんね。正解はどちらなのでしょう? そこで本コラムでは賃貸・持ち家それぞれのメリットとデメリットをくわしく検証していきます。

賃貸派と持ち家派 どちらが優勢?

賃貸と持ち家ではどちらを選ぶのか、世の中の人たちはどのように考えているのでしょう。公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が2019年に行ったアンケートでは、「賃貸か持ち家かどちらを選ぶか」という設問の回答は、賃貸派が19.1%、持ち家派が80.9%と、持ち家派が圧倒的に多数でした。

賃貸派の理由TOP3

  • ①住宅ローンにしばられたくないから・・・41.5%
  • ②天災が起こったときに家を所有していることがリスクになると思うから・・・35.6%
  • ③税金が大変だから・・・24.5%

持家派の理由TOP3

  • ①家賃を支払い続けることが無駄に思えるから・・・53.5%
  • ②持ち家を資産と考えているから・・・32.1%
  • ③落ち着きたいから・・・28.5%
賃貸派の意見としては、「住宅ローンに縛られたくない」という意見が半数近い結果でした。やはり大きな金額を借り入れることに抵抗があるのかもしれません。続く第2位は災害のリスク。災害に遭ったとき、賃貸の方が住まいを変えることが容易だからでしょう。ちなみに2017年の理由では、「仕事の都合や家族構成の変化により引越しする可能性があるから」という理由が2位でした。この変化は、この数年、自然災害が頻繁に起こり危機意識が高まっているため、2019年の調査で新たな理由として浮上したのでしょう。
3位の税金については、家を購入すると固定資産税がかかり、地域によっては都市計画税なども発生します。ローンに加えて修繕積立金もかかる場合も多いので、さらに税金もかかるとなれば、その負担は無視できないものなのでしょう。

持ち家派では、「家賃を支払い続けることが無駄」という意見が半数を超えました。それは2位の「持ち家は資産」という理由ともリンクするものでしょう。家賃はオーナーに対して「賃借料」として支払うのに対し、ローンは「自己の所有物」とするために支払うもの。ローンを完済すれば自己の所有物となり、それはその後のライフスタイルによっては運用も可能です。そんな点も持ち家が魅力的に感じられるのでしょう。

賃貸のメリット

住み替えが自由にできる

転勤や家族構成の変化により引越しが必要になったとき、気兼ねなく住み替えができるのが賃貸の一番の魅力でしょう。その他にも、不便を感じることがあったり、近隣の住人とのトラブルが起こってしまった場合にも引越してしまえば、トラブル回避ができる点もメリットの一つです。

メンテナンスの手間、費用が不要

エアコンや給湯器などの設備の不具合、電気やガスなどのトラブルは、賃貸なら管理会社へ連絡すれば対応してくれます。あくまでも借りているものなので、修繕や交換などの費用負担は持ち主である貸主の義務となります。ただし、故障や破損の原因が入居者にある場合は費用を負担しなければならない場合もあるので、日頃の使用は丁寧に扱いましょう。

ローンや税金の負担がない

ローンは言わば借金です。金融機関でローンを組んで物件を購入し、長期間にわたって毎月返済を行うので、家賃を支払う感覚よりは心理的負担が大きいかもしれません。また、ローンの設定額にもよりますが、返済に加えて税金や修繕積立金などもかかってくるので、月々の負担は概ね賃貸の方が少なめです。

賃貸のデメリット

ファミリー向け物件が少なめ

賃貸向けの物件は、一人暮らしや少人数世帯向けの物件が多い傾向があり、特に都心部ではファミリー向けの物件は物件候補を複数出すことも難しい場合もあります。人気の公立学校にお子さんを通わせたいご家庭は少なくても6年は住み続けるので、物件数が少ないと言うよりも空きが出にくいといった方が適切かもしれません。また、グレードが高い分譲向けに造られた賃貸マンション(分譲賃貸)は家賃が高めの傾向です。分譲賃貸を借りる場合は、ローン金額よりも家賃の方が高くなってしまうこともあります。

リフォームができない

賃貸では、壁に穴を空けたり住みやすいように内装を変えることはできません。また、退去時に借りた時の状態にして返す原状回復義務が生じるので(社会通念上経年により避けられない変化は除く)、壁紙を剥がしてしまったり床を傷つけてしまったり、形状を変更してしまうと原状回復費用が多額に請求されることもあります。中にはDIYが可能なことを売りにしている「DIY賃貸」もありますが、築年数が古い物件が多いのが現状です。

老後生活の懸念

少々シビアな問題ですが、日本の不動産業界、特に賃貸業界では所有資産よりも定期的な収入があるかが審査基準を左右します。そのため高齢になってから住み替えを希望した場合、選択肢はきわめて少なくなることが予想されます。また、住宅ローンは最長でも35年で支払いが終わるようになっていますが、賃貸物件は借りている期間は家賃を払い続けなければなりません。仕事をリタイアして収入が年金のみになっても支払いは続きます。それでは老後の生活設計への影響も決して小さくはないでしょう。

持ち家のメリット

個人資産になる

住居が資産になることは、持ち家の最大のメリットです。借り物ではなく個人の所有物となるので、永続的に住むことができます。また、売却することでまとまったお金を用意することができ、賃貸として貸せば定期的な家賃収入も得られます。新築の分譲マンションを購入した場合は、耐震性や省エネなどの高性能な住宅も多く、条件によっては購入時より高く売れる可能性もあるでしょう。

リフォームが可能

持ち家の利点としては、自分の好きなようにリフォームできることも大きいでしょう。戸建て物件ほど大掛かりな増改築はできませんが、マンションも専有部分であれば管理規約の範囲内でのリフォームが可能です。

団体信用生命保険に加入できる

これはメリットと言うより、いざと言うときのリスク回避にあたりますが、住宅ローンを利用すると「団体信用生命保険」に加入ができます。これはローン返済期間中に名義人が死亡してしまっても、この保険によってローンの残額が保険金から支払われる仕組みです。遺された人には支払いの義務は課されず、もしものときの心強い補償となります。ローンの返済後に支払わなくてはならないのは管理費や修繕積立金、固定資産税のみです。

持ち家のデメリット

住み替えがしにくい

一生住み続けられるのが賃貸最大のメリットですが、裏を返せば賃貸のように簡単に住み替えはできないと言うことです。住み替えを思い立っても、売却には6~7か月ほどかかる場合もあります。物件を売って引越し資金にする計画を立てても、希望通りにはならないことも多いでしょう。

メンテナンスは自己管理・自己負担

戸建てはもちろん、マンションも専有部分の設備については、すべてを自ら管理しなければなりません。賃貸のように管理会社に連絡をすればよいということではないので、業者への問い合わせから発注までを全て自己対応。もちろん費用も自己負担です。

多額なローンを組む場合がほとんど

家を現金で購入できる人はそうそう多くはありません。ほとんどの人が金融機関から住宅ローンという形で融資を受け、毎月一定額の返済をしていきます。いくら自己資産になるとはいえ、気負いなくローンを組める人はなかなかいないでしょう。また、何らかの理由で相続することになった場合、住宅は単純に分割ができるものではないので家族内でトラブルが生じる可能性もあります。
同じ条件で賃貸と持ち家の費用に関するシミュレーションを行うと、生涯でかかるコストはやや賃貸の方が低いという結果が出ました。けれどもローンを組んで所得税や住民税の控除を受ければ、大差はないという結論にも至ります。
一般的には将来は持ち家を希望するという人が多いことが分かりましたが、どちらか片方が正解と言うことはなく、それぞれのライフスタイル、ライフプランによって正解は異なるのです。住み方を決める際には、どのような条件が自分たちの暮らし方に合っているのか、そこからよく考えましょう!

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